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TPP加盟と鉄道情景の更なる感傷化 [日本 にっぽん NIPPON]

 イギリスという国は、鉄道の保存が盛んな国と聞いたことがあります。その多くは、ローカル線として地元の輸送を担っていた鉄道が廃止された後、鉄道愛好家や地元の方々の有志が、線路や設備を引き取り、列車の維持管理を行いながら、保存鉄道として蒸気機関車を走らせているとの解説を映像の中で見たことがあります。

 日本においても、昭和40年代後半から昭和60年代の国鉄民営化前後にかけて、多くの地方路線が廃止されました。多くの鉄道は、レールをはがされ、今となっては、僅かに残された駅舎やトンネル、橋梁など遺構が、当時の情景を思い出させる数少ないトリガになっています。また、廃線跡を探訪する本が刊行されるなど、廃線跡そのものが、趣味の指向性の領域に取り込みされつつあります。

 また、当時の状況を垣間見ることが叶わなくなってしまった現代の自分も、例えば作家の宮脇俊三氏の書かれた『時刻表2万キロ』を読み返すと、当時旅をしながら綴った情景の一部を、緻密な文章から感じることができます。

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

  • 作者: 宮脇 俊三
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1984/11
  • メディア: 文庫

 

 

 この類の紀行文は、廃止された路線が現役の頃を、写真ではなく文章として記した貴重な資料であり、自分が鉄道模型のレイアウトの情景を作成する際においても、心の置きどころの一つとして、大変有益な資料となりました。

 ところで、昨今議論されているTPPの真相と深層が、メディアと政府によって非開示され続け、多くの国民を欺き、今年11月になって結果的に加盟されることとなった場合、その後の様々な紆余曲折を経て、鉄道民営会社各社は現在以上の苦境に陥れられると、自分は考えているのですが(→過去ブログ)、

都市部以外の地方における車社会の中で、むしろそこに鉄道が走っていたことすらを知る人の方が少なくなりつつある今となっては、TPPに加盟されることを待つまでもなく、今後の少子高齢化や高速道路網や高規格道路の完成をきっかけとして、多くの地方鉄道は、今以上に否応なしに廃止されていくのではないか、という感慨も持ちます。

 むしろ、地方交通機関の一つであるそのような鉄道を存続させる方策自体が、研究対象にもなっている中では、都市部と高速鉄道以外の鉄道はもはや必要ない、という考え方が経営者も、鉄道に対して恩恵を受けない地元の方々も持っている共通認識ではないかと思います。

 その情勢は、鉄道会社各社は経営方針や方策の中へ既に取りこんでいて、例えば、駅が昔の「駅」の機能を有するだけでなく、改札口の中に昔言葉で言うところのデパートのような光景が広がっていたり(例:「エキュート@大宮駅改作口内等」)、一方で、遠隔操作された端末を有するだけで「無人駅」ではなく有人駅としての機能を有する駅(例:「かえるくん」等)が存在したり、幹線以外の鉄道線路に雑草が繁茂する自体となっている(例:保線の簡略化と外部委託)のは、まさに経営の多角化と効率化に拠って作られた一例だと思います。

 単なる鉄道利用者に過ぎない自分は、鉄道を利用しながら、各々の会社が経営上選択せざるを得ず、結果的にそのようなになった光景や状況に対して、なるべく眼をそむけつつ、鉄道模型趣味人の一人としては、昔そこに存在していたはずの情景を、感傷的にも、鉄道模型のレイアウトの上に再現しようとする試みを行っています。

 鉄道模型のレイアウトの存在するあらゆる鉄道設備は、鉄道経営上、保安的上、効率常、結果的にそうなった多くの設備によって構成されている為、例えば現代のように、ATOSやGPSによって、運行や保安が司られる状況は、再現を試みる情景には相応しくないと思う為、意識的に排除しなければなりません。

 したがって、今後、もし日本がTPPに加盟し、鉄道業界に今以上の高効率化と低コスト化が求められるようになった時、鉄道情景に対する感傷を更に深めていかなければならないのだろうか、、、と政府とマズコミを相手にした情報戦争が繰り広げられ休日の夕べに思いました。

 さらに、日本国民の一人としては、TPPの加盟は、端的に言えば、アメリカ合衆国の51番目の州化であることを、一種の「キャッチコピー」として明言しても的を外れてはいないだろうと思っているのですが、社会の公器たるマスコミはなぜは言わないのだろう。。。?

そういえば、マスコミはすでにマズゴミであり、メディアと呼ぶのが、最近は当たり前であったと思う今日この頃でした。

 最悪の失業者数を減らすというオバマ大統領・米国の策略は、TPP加盟による日本国内の公共事業(政府調達品目)と保険、情報、農業等を完全自由化することによる失業者輸出(すなわち米国の雇用創出)。

あらゆる産業の基盤を担っている技術立国であるからこそ、日本のという国が成り立っていることを無視した暴挙は、日本を根底から壊すと思われます。


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