寝台特急「北陸」と、はしごする。

　今から数年前のある時期、北陸地方に本社を置くある企業と共に、本業において、あるデバイスの開発を行っていたことがありました。

　その期間は、約2年間という短いものでしたが、会議や出張の当日、早朝に新幹線を使って移動することを避け、出張の前日に通常以上の速さで資料を作成し準備を行い、夜10半までに上野駅に到着し、寝台特急「北陸」に乗り込んでいました。

　通常以上に仕事を早く終わらせるモチベーションの発生要因は、鉄分豊富な人間にとっては、月並みながら、上越線を通過する「北陸」の発車時刻までに、上野駅のホームに向かうことでした。無事に発車時刻に間に合い、上野駅から乗車すると、大抵、大宮を通過するまでにシャワーを浴び、上野駅構内で買ったビールを空け、水上駅を通り過ぎるまでに毛布に包まって眠っていました。 

 

　新清水トンネルを通り過ぎるまで起きていたい、と乗車する度に思っていた気持ちは、前日までの仕事の疲れと、資料の作成を終わらせて列車に間に合ったことの安堵感と、上越線の上を走って横になっていることの安心感と、翌日の業務を無事に終わらせることの緊張感・・・、などなどが入り混じって、トンネルを通過するまでに折れてしまい、結局、新潟県の線路の上ではいつも寝ていました。

　寝台特急「北陸」で移動して、北陸地方にある企業と一緒に行っていたこの仕事は、デバイスの開発がひと段落した後、「北陸」が廃止になる直前に終わりました。そのデバイスは、次の開発フェーズに移り、そして、現在に至ります。

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　デバイスの開発の仕事と並行し、プライベートの世界では、「日本帝國鐵道　常越本線」のレイアウト製作検討に入っていました。

　そして、この仕事とは別に、夜な夜な自宅では、レイアウトの製作が続き、昨年、ようやく常越本線が完成しました。JAM（国際鉄道模型コンベンション）への出展を決めた直後、TOMIXから限定品の北陸の発売が発表された時、鉄分豊富な自分が、すぐにこの寝台特急「北陸」を予約したことは言うまでもありません。

　鉄道模型の「北陸」は、当初予定の予定日から延期を重ねて、先日のGWの前に、ようやく店頭に並びました。

今回、この北陸に、銀河モデルから発売されたB寝台用のハシゴを車内に取り付けました。

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　そして、ハシゴを取り付けた後、ふと、取り留めもないことを思い出しました。

　このデバイスの開発の為に、初めて北陸地方への出張した折、それ以外の出張と同様、当たり前のように新幹線を使って仕事先へ移動することを考え、いつものように仕事を進めていた時、ふと寝台特急「北陸」のことを思ってネットで指定席の予約情報を見たら、空席があるとの情報。急いで支度をして上野駅へ向かったものの、Bソロ（個室）が入手できず、代替で入手した特急「北陸」のきっぷは、自ら指定したスハネフ14の端部の席。

　この時、初めて乗車した北陸では、自ら指定したスハネフ14の端部の寝台は相席とはならず、コンパートメントのように、終着までその空間を占有できました。カーテンの傍のハシゴは使われることがないまま。

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　今回、「北陸」にハシゴを取り付けた後、ふと、以上のような記憶がよみがえって来ました。今回、たまたま入手したのは、乗車率50％程度が想定される、全ての寝台のハシゴが使用されていない状態のハシゴです。

以上、「北陸」にハシゴを取り付けた後、北陸と「はしご」しながら仕事をしていた時のことを思い出したお話でした。

徒然なるままで失礼しました。。。

コメント 4

はじめまして。
う～ん…いいですね！「北陸」がもういないことが信じられないです。「銀河」に次いでよく利用しました。
by はしるかける (2011-05-14 08:24) 

これはまた、細かい部品があるんですね。
写真拡大して、ようやくわかりました。
なるほど、窓際の印象が大きく変わって素敵です。
by 夏風 (2011-05-14 10:48) 

はしるかけるさん
実物の「北陸」は廃止されてしまいましたが、我が家のレイアウトの上では、これからも元気に走ってくれることと思います。
by Ainetos (2011-05-14 20:27) 

夏風さん
KATO製の24系「あけぼの」にはハシゴが実装されていたので、「北陸」にも実装しよう思いました。夜景の駅構内に双方を並べると、より実感的に見えるかもしれません。
by Ainetos (2011-05-14 20:31)