米国首都路面電車博物館への訪問 [鐡道旅行]
昨年11月から今年1月まで、米国ワシントン近郊への断続的な長期出張の間、たまたま自由に行動できたある休日、滞在先の近くにある鉄道博物館に出かけてきました。
ワシントン中心から車で1時間程離れたところにある首都路面電車博物館(National Capital Trolley Museum)です。
この博物館では、かつて米国の首都ワシントンを走っていた路面電車や、他の地域や国で走行してた路面電車が展示されています。NPO法人が管理する博物館です。
NPO法人による管理であることと、ボランティアが来館者の対応をするような博物館であるため、土曜日と日曜日の午後しか開館していません。あの有名な旅行ガイド「地球の歩き方」にも、この博物館は掲載されていませんでした。
ある晴れた休日、ようやく時間を見つけて、この路面電車博物館に訪問してきました。滞在先のワシントン近郊から30分ほどの距離にあるにも関わらず、主要道路からの入り口が非常に判りづらかった為、1.5倍掛かって到着しました。
敷地内には、展示物を収めた建物の他、広い敷地には約1マイルほどの線路が敷かれており、旧型の路面電車が交互に来館者を載せて走っています。
入館すると早速、出発間際の電車に乗ることになりました。
電車に乗車すると、建物に併設された車庫から延びる線路が右手に見えました。館内の線路が本線に合流しているのが外からもわかります。
一方、車内は自分を除いて全員家族連れ。日本人は自分を除いて乗車しておらず、子供たちの珍しそうな視線を感じながら、森の中を走る電車の中から風景を眺めていました。
途中の折り返し地点は、ループ線になっており、ここで電車は停車。
運転士さんが椅子を離れ、乗車する電車と線路の紹介を始めました。
この線路は、敷地を分割するように建設された新しい高速道路によって、約半分に短縮されてしまったそうです。グーグルアースで見ると、古い線路の跡を見ることができます。
(上記写真中、赤線は現在の線路、青線は以前の線路。高速道路によって、線路が途切れているのが判ります。)
折り返して、次に発車を待っていたオランダの電車も含め、当日は2種類の電車に乗車することができました。
建物の中には、ワシントンを走っていた路面電車を紹介する図や模型、映像などが展示されていました。
展示されている地図を見ると、線路跡が今や自動車道路になっていることが判ります。ワシントン大統領の住まいのあったマウント・バーノンまで、 川沿いに線路が敷かれていたことも初めて知りました。
さらに館内に展示されていた模型。
ワシントン中心地では、空中に架線を引くことが困難であったため、地中に架線を埋めて、集電していたとのこと。その遺構の一部も展示されていました。
また、時間を決めて入館を制限している建物、これは「車庫」を兼ねた展示場だったのですが、この中には、除雪車や貨物車、今にも崩れそうな古い形の電車などが展示されていました。
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