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痛電と趣味の相関性について [日本帝國鐡道 製造局]

鉄道または鉄道模型が趣味であると自論されている方の中には、これと両立させる趣味として、例えば「写真」や「登山」といった趣味、または「旅」や「映画」、「音楽」等といった一定の関連性があるような雰囲気の感じられる趣味を、その趣味とは別に持ち合わせているのだろうと自分は想像しています。おそらく、アンケートを取り、統計的に調査して整理すると、鉄道趣味とその他の趣味には、年代や地域性を問わず、一定の相関性が見られるのではないかと思います。

高校や大学の鉄道研究会に所属する部員の趣味の統計を取り、趣味の相関について考察すると卒論くらいの分量にはなるのではないでしょうか?国際鉄道模型コンベンションに入場する3万人以上の人々を調査対象として得られる結果は、一定の業界には有益なレポートになるのではないかと思います。(自分ごときが考えている時点で、既に誰かがやっているのでしょうが。)

ところで、既にご存じの方も多いと思いますが、アニメ「けいおん!」とタイアップした電車が京阪電鉄で走りだしたとのことです。(→関連ニュース)

アニメと鉄道との間については、両者に共通した暗そうな匂いの漂うステレオタイプ的な視点を借りずとも、アニメとタイアップして「痛電(痛い電車)」を走らせたり、アニメとタイアップした何千枚の記念乗車券が、発売から数時間で売れ切れてしまうような現象から、両者の趣味の間には相当な相関関係があるのではないかと思います。

そのように推測する自分自身も、小学生の頃に「風の谷のナウシカ」や「天空の城 ラピュタ」を見て、宮崎駿アニメを好きになったり、同じ頃、リアルな背景設定と緻密な描写でロケットの製造現場や打上げシーンを描いた「王立宇宙軍」を見たこと(見てしまったこと)がきっかけで、自分の将来(鉄道以外の本業)を決めてしまったような人生を歩んでいるのですが。


話はそれましたが、 

鉄道模型メーカは、自動車や電機メーカと同様、ユーザのニーズや指向を分析しながら、その本業である列車や線路の模型開発、ストラクチャーなどの鉄道模型関連商品の企画商品化を手掛けている事と思います。

最近の事例では、想定する顧客を大きく二つの層、すなわち低年齢層と中高年層とに分け、最新型の車両を可能な限り早く、可能な限り安く商品化する傍ら、昭和40年代前後の車両を入念に調べ車両を選定し、編成をセットにして高い単価で商品化するような傾向があるように思えます。鉄道車両と顧客となる年齢層を分析した結果を、商品化の指針とする例であると思います。

一方、人の趣味の相関性を分析し、見事に経営的に当てることのできた商品展開がTOMYTEC社の『鉄道むすめⓇ』ではないでしょうか

妻に言わせれば、「かわいい」から流行っているのだそうですが、鉄道趣味の持つリアルさとメルヘンチックなかわいさを両立させ、フィギュアのみならず、マンガや小説、ドラマ化が企画され、更にはNゲージ用のコンテナまで商品化され、現在も種類を増やしつつあります。

この商品展開を載せた列車が常越本線のレイアウトの上でも走行しました。

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先日のブログで、風景の補色を纏った電車の写真を掲載しましたが、この「痛コンテナ」は逆に、見事に風景から浮き立ち、風景の中に溶け込んでくれませんでした。


風景から浮き立つ列車は、風景と列車が溶け込む情景を被写体として写真に収めたいと思う人々にとっては厄介な存在ですが、被写体風景の中に溶け込む列車とは異なり、人目に付く広告媒体としては、有効な手段を載せているのではないかと思います。

その効果を活用した結果、10年ほど前に東京都が解禁したのを発端に広まった広告バスや広告電車等が全国を走り回っているのかもしれません。

今回、「けいおん!」というアニメとタイアップした電車が走り出したことが自分の眼に止まったのですが、一定の需要を備えつつ、極微細の印刷技術を持つ鉄道模型業界において、また、趣味の相関性がある人々を市場に抱えた業界において、この車両が模型化されるのは時間の問題ではないかと思います。

今後は、例えば京都アニメーションのような「かわいさ」と「リアルな情景」を追求するアニメ製作会社と、「緻密さ」と「リアルな質感」を追求する鉄道模型業界のメーカが提携し、実物の痛電が走り始める前に、模型の痛電を開発し限定品として流通させることが試みられた場合、両者の趣味人たちによって統合された大市場において、通常の商品よりも高い値で価格が設定されたとしても、その「痛電」の模型は市場で取引されるようになるのかもしれません。発売後数時間で売れ切れるような勢いで。

以上、手前勝手な想像でした。


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