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計画停電の中で [日本 にっぽん NIPPON]

 本日現在(2011年3月19日)、福島第一原発では、海水による核燃料の冷却が必死に行われています。

 国を守るため、地域を守るため、家族を守るため、24時間命懸けで作業し続ける自衛隊、機動隊、消防隊、警察、現場の作業員の方々の無事のご帰還を心よりお祈りいたします。

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 核分裂によって発生する熱エネルギーは、発電が停止しても数年の単位で発生し続けるため、懸命の冷却がひと段落した後も、今後数年に渡り継続的な冷却が必要です。

 無事に外部電源が冷却系統に接続されて、核燃料の継続的な冷却が可能となった次の段階において、冷却作業と並行して行う必要のある作業は、以下のようなものが考えられます。なお、以下は、これまでの海水による冷却により、核燃料周囲の塩分濃度が海水以上に高くなっていることが前提となります。

  1. 冷却水の温度低下による含有塩分の結晶化と、析出した結晶の塊による配管内部閉塞、それに伴う冷却水循環系統の支障対策 (例えば、人力またはフィルタによる結晶の除去)
  2. 高濃度の塩分含有の冷却水循環による機器類及び配管の腐食対策 (例えば、塩分の除去や腐食防止剤の添加など)
  3. 核燃料冷却済みの海水漏出と海流への放射性物質漏出対策 (例えば、漏洩防止用の貯水池の設置や海洋の海流シミュレーションなど)
  4. 圧力容器及び格納容器の腐食対策 (例えば、チェルノブイリ原発と同様の「石棺」の建設など)

 以上の対策を実施しない場合、起こり得ると考えられる事象は、以下の通りです。

  1. →冷却系統の機能不全→核燃料の崩壊熱による再度温度上昇→再度の炉心融解
  2. →機器類及び配管からの冷却水漏洩→放射性物質への外部漏洩
  3. →環太平洋規模の海洋汚染及び魚介類への放射性物質の蓄積→水産品を摂取する人体の体内被曝
  4. →風雨による放射性物質漏洩

 したがって、今回の命がけの冷却作業が無事に終了した後も、事故の処理は永続的に続くものと思われます。 そして、そのコストは電気料金に必ず反映されるものと思います。

 また、今後、地方自治体や市民から求められる補償に、仮に東京電力が資金的に応じることが出来ず、結果的に民事再生法を申請し破産した場合は、国家による補償、すなわち国民がコストを負わなければならない事態になるのではないかと思います。


 現在、一日に最大2回、計3~6時間の計画停電が実施されています。当方の職場も、変則的な形態ながらも、土日を出勤日とすることで、勤務が続けられています。自宅においても同様、計画停電の暗い部屋の中で、時折ラジオのニュースを聞きながら、復電するのを待ちます。都市部における信号機の機能しない路上を出歩くのは危険だからです。さらに夜には、都会においても星がこんなに綺麗に見えるのかと思うくらいに真っ暗になります。

 今回の震災により停止した、福島、茨城、千葉、神奈川及び東京の各火力発電所が復旧し、計画停電が終了した後も、節電を継続していく必要があると思います。そして、人知を超える災害が起こり得ることを深く心に刻み込んだ日本において、エネルギー供給のあるべき姿について、これまでの政策や技術開発の方向性も含めて、改めて深く考え直さなければならないと思います。

昨日現在(3/18)の東電の発電状況 (←東京電力ホームページより)


地震発生から3日目、津波によって破壊された建物から無事に救出されたご老人の言葉です。

「また、再建しましょう!!」

http://www.youtube.com/watch?v=2zeroCZSrjo&feature=player_embedded

地震の後、初めて再開した職場から自宅から帰ってきて、ネット上で見つけて、不覚にも涙を流しそうになりました。


また、再建しましょう!!


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