宇宙ステーション補給機(HTV)の製作(その2) スラスタの製作・取付まで [日本 にっぽん NIPPON]
前回の作業の続き。
当初の予定では、太陽電池パネルの製作の後は再び構体の製作へ戻り、電気モジュールと推進モジュールのMLIやラジエータなどの熱艤装に着手する予定でした。
しかし、長時間要して完成した部品を構体に取り付け、早々と完成の形態へ近づけたいと思う衝動に負けてしまい、すぐに太陽電池パネルを取り付けてしまいました。
結果的に、その工程の方が良かったのですが、一連の作業の間、途中の写真を撮るのも忘れてしまうほど没頭してしまい、いつの間にか以下のような形態になりました。
推進モジュールのベータクロス(断熱材の一種)は、ホワイトのサーフェーサーを2,3層塗り重ねて表現。電気モジュールのMLIは、与圧部/非与圧部のMLIよりも金色の曲面追従シートを用いました。また、双方のモジュールの放熱面には、銀色のシートを構体表面に可能な限り密着。
実機と同じように、基本的にMLIはふんわりと、ラジエータ(放熱面)はしっかりと密着させました。
しかし、この時点で、説明書と実機との齟齬が多数あることに気が付き、JAXAアーカイブスでダウンロードできる写真や自分の記憶を頼りに試行錯誤しながら、熱艤装を実施しました。
説明書やこの模型の製作においては、あくまで1号機を再現することを想定して作られているようです。ただそれでも、実機のラジエータやMLIなどの熱艤装、スラスタやセンサの表現までは正確に再現するよう指示はしていないようです。
・・・と思いながらも、次の工程に進まない限り、この「HTVの模型」は完成しません。坦々と姿勢制御用のスラスタの取り付けを行いました。
取り扱い説明書上では、灰色系統の色彩を使用する指示が書かれていましたが、実機に似た表現を施す為に、薄い金属光沢系のエナメル塗料を重ね塗り。 それを本体に取り付け。
推進用のスラスタを取付ける前に、実機ではベータクロスによる断熱材によって、表面にしわしわ感を醸し出している推進モジュールに白色の曲面追従シートを貼り付け。これによって、推進モジュールの最後尾にベータクロスが張られている雰囲気を表現しました。
この後、すぐにでも推進用のスラスタを取付けたいところでしたが、非常に細かい部品の為、仮に取付けた場合、後の作業工程で破損してしまう恐れがあったため、先に非与圧部内部のセンサと暴露パレットの加工を実施しました。
別途製作していた暴露パレットを、HTVの本体へ固定。
背後に見えるのは、その後台座となるISS(ダミー)の本体です。
最後に推進用のメインのスラスタの製作。
実機においては、ISSへ結合するまでに、何回も繰り返される噴射時の高温により、ノズルの先端が変色しているため、その表現を鉄道模型のウェザリング手法で再現してみました。
このようなウェザリングの作業は、昨年、鉄道模型の分野で自分が始めて手に付けてみた技術を、宇宙機の模型へスピンオフしました。(去年の該当記事へ)
用いたのは田宮模型のウェザリングマスター。
手前は高温による変色前。奥は変色後のスラスタです。 噴射してようやくISSへ到着した雰囲気が出てきたような気がします。(もちろん自己満足です。ただ、JAXAアーカイブスなどから得られる軌道上での写真を見ると、青や赤、黄色が混ざった複雑なグラデーションを呈している模様です。模型製作上、要追求かと思いました。)
このような工程で製作したスラスタを4基、全てのベクトルが同じになるように微調整しながら固定。
ひとまずHTV本体は完成です。
次に続きます。
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