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宇宙ステーション補給機(HTV)の製作(その1) [日本 にっぽん NIPPON]

とある理由により製作することとなったHTV(宇宙ステーション補給機「こうのとり」:H-Ⅱ Transfer Vehicle)の1/72スケールの模型。

実機の方は、2009年9月、1号機(技術実証機)が種子島から打ち上げられ、無事にミッションを遂行した宇宙機です。それ以降、毎年1機のペースで製造が行われ、先月8月には4号機が打ち上げられ宇宙ステーション(ISS)へ物資を補給。9月になってからISSを離脱し、大気圏へ再突入しました。HTVの詳細については、こちらが便利です。(→JAXAウェブサイト)

今回、このようなHTVの模型を制作することとなった理由は後日示すこととして、ずっと手がつかずに箱の中にしまったままのこのHTVを製作することになりました。

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なかなか、作業に取り掛かれなかったのは、宇宙機の表面に実装されるMLI(Multi Layer Insulation:多層断熱材)の表現手法が決まらなかったこと。光沢のあるスプレーの塗装では表面の不規則的な反射が再現できず、さらに、フィルム特有の「しわしわ感」も出すことができないため、実機の雰囲気的にも加工性にも適しているような良い素材をずっと探していたのですが、たまたま模型屋で見つけた材料「曲面追従シート」(ハセガワ製)が、現状最も適していると考え、ようやくこれを調達。

実機では、製造担当するメーカによって、HTVを構成する各モジュールの表面のMLIの色が異なる(メーカの材料調達先が異なる)ため、その表面の色の違いも考慮して、例のシートで異なる表面色を選んで調達しました。

最初は、非与圧部と呼ばれるモジュールのMLI取り付け。ここには、宇宙ステーションの暴露部(宇宙空間に晒されて、たとえば天体を観測したり、宇宙特有の環境を計測したりする実験装置や搭載される)に取り付けられる貨物が搭載されます。

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実機の写真をJAXAのデジタルアーカイブスで見つけながら、製作。

初めて使用した「曲面追従シート」ですが、思った以上に接着性や密着性がよく、しわしわ感を出す為にはあえて、貼り付ける面とシートの間に空気を入れなければならないと思ったほどでした。

続いて、与圧部へのMLIの取り付け。与圧部には、人が居住したり仕事するISSの中(空気があり人が生活できる)へ結合されて、水や食料、そして様々な実験装置や機材などが貨物として搭載されます。 

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スラスタ(宇宙機の姿勢制御などに用いられる)や太陽電池パネルが設置される箇所には、製作の工程上、MLIは取り付けません。

次に、太陽電池パネルの製作。

こちらも光沢系のあるスプレー塗装では、黒と青が混ざった独特の太陽電池素子の色と、表面のガラスの表現ができないと考えていたのですが、MLIの表現に使ったハセガワの曲面追従シートの中で偏光フィルムを見つけ、迷わず採用することにしました。

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箱の中に入っている太陽電池(もちろんダミー)は、青い透明の素材(プラスチック)でモールドされているため、実物とは全く質感が異なります。そこで、表面にメタリックブルーと艶消し黒を時間を置かず、ほぼ同時に吹き付け乾燥。その後、アルミハニカムの断面の色である銀色を、エナメル塗料と面相筆で塗装しました。

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久しぶりの面相筆による作業。鉄道車両製作の時に、Hゴムや窓サッシの色差しに使って以来、数ヶ月ぶりの作業でした。

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この色差しのお陰で少しはましになった太陽電池パネルもどき。 メタリックブルーの輝きが艶消し黒で消されているところが、良い感じに太陽電池素子の色を醸し出しているような気がしました。

次に偏光シートを貼り付け。

IMG_2155.jpg 

手前が偏光フィルムを貼り付け後。このフィルムは太陽電池表面の平滑なガラス面を再現するために貼り付けるものです。パネル今度はシートと表面の間のわずかな気泡が密着性を悪くする為、空気を逃がしながらの貼り付け作業になりました。

作業は続きます・・・。 

 

 

 

 


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